親しい友人の結婚式に参加するとき、ご祝儀の金額に迷う人は多いでしょう。ご祝儀にはさまざまなルールがあります。金額は高過ぎても、低すぎても駄目で、状況に合わせて丁度良い額を用意する必要があるのです。この記事では、一般的なご祝儀の相場、ご祝儀が必要ない「会費制結婚式」、またご祝儀袋の選び方について、解説していきます。
ご祝儀の意味とは?どういうものか知っておこう
まず、ご祝儀の意味について考えてみましょう。ご祝儀とは親族や友人などが結婚する際に渡す金品のことです。会費制ではない限り、ご祝儀は必ずもっていくのが社会のルールです。
会費制のように明確に金額が記載されていないので、金額はゲストが決めることになります。ご祝儀は「もてなし」の気持ちに支えられた風習です。この考え方は日本人ならではといえるもので、欧米ではご祝儀の風習はほとんどないでしょう。
ご祝儀をご新郎ご新婦に渡すとき、直接渡すのはやめてください。結婚式に参加する際に、受付に渡すのが一般的と心得ましょう。
ご祝儀はご新郎ご新婦がゲストをもてなすのにかかった食事代や会場費だけを考慮するだけでは不十分です。それに加え、お祝いの気持ちも上乗せするのがマナーになります。
ご祝儀が必要ない結婚式のケースも!?
結婚式にご祝儀は必須なイメージがあるかもしれませんが、ご祝儀が必要ないケースもあります。
例えば北海道や北東北の一部の地域ではご祝儀を包む文化があまりないようです。会費のみを渡す「会費制の結婚式」の方が一般的になっています。首都圏でも会費制を採用している結婚式場はありますので注意しましょう。
結婚式は多様化しており、カジュアルな結婚式が増加傾向です。まだまだご祝儀制の方が主流ですが、会費制のスタイルをとるご新郎ご新婦もときどきいます。地域性にとらわれるのではなく、結婚式の形式は事前に確認しておくことが大切です。
会費制の結婚式はご新郎ご新婦が指定した金額をゲストが支払う決まりです。形式ばった結婚式が苦手な人やパーティーのような結婚式を望む人に、会費制の結婚式は好まれています。
ご祝儀制より金銭的な負担が小さくなるので、ゲストが気軽に参加しやすいのもメリットです。しかし、年配の人からするとフォーマルな結婚式の方が慣れているので、戸惑う人もいるでしょう。
会費制の結婚式ではご祝儀袋が必要ないのもポイントです。封筒などに入れず、直接手でお金を渡すのが一般的なルールになります。お釣りが発生するような支払いはマナー違反なので避けましょう。
会費制はご祝儀とは違い、支払う金額が決まっています。そのため、受付では指定された額が支払われているかチェックしなくてはなりません。
ご祝儀袋に入れたままだと、袋からお金を出すのが手間ですよね。受付の人が確認しやすくするためにも、会費は手渡しが適しているのです。
ご祝儀を包むときには新札を用意するのがマナーです。会費制の結婚式は新札でなくても大丈夫ですが、少し考えるべきことはあります。
ご祝儀で新札を用意するのは「新たな門出を新しいお札で祝う」意味がこもっているのです。会費制でもこの気持ちは変わらないでしょう。新札を用意できれば、それに越したことはないです。新札が無ければ、折り目がない綺麗なお札を用意しましょう。
親しい友人の結婚式なので、会費だけでなく特別に金額を上乗せしたい、と思う人もいるでしょう。そのような場合は、別途贈り物をすることを検討してください。ただし、渡すタイミングは結婚式当日ではない方が良いです。
後日、改めて渡すようにしましょう。会費制の結婚式を開催するご新郎ご新婦は、ゲストへの負担を減らすのを目的としているケースが多いです。そのため、会費のみを払って結婚式に参加するのが一番無難といえます。
友達へのご祝儀はどれくらいが相場?
友達へのご祝儀の相場はだいたい3万円です。あまりに高い額を包んでしまうと、ご新郎ご新婦に気を使わせる恐れがあるので避けましょう。
ご祝儀の金額はご新郎ご新婦の仲が別れないようにという意味を込めて、割り切れない「奇数」を選択するのがマナーになります。「偶数」は夫婦が別れる数字といわれており、4や9も縁起の悪い数字です。
1は奇数で縁起も悪くありませんが、ご祝儀が1万円なのは結婚式に参加しない人の相場になります。結婚式に参加したにもかかわらず、1万円のみを包むのは非常識ともいえる行動です。
どうしても金銭的に厳しく、ご祝儀を3万円ではなく2万円にしたい場合は、1万円札を1枚、5千円札を2枚いれるなど、包み方を考えるようにしましょう。
友人や知人向けのご祝儀相場は3万円ですが、兄弟や姉妹などの結婚式では5万円を包む人も多いようです。年代が上がってくると10万円包む人も珍しくはありません。ご祝儀の額はあくまで気持ちであり、無理をする必要はないでしょう。
しかし、あまりに少ない額だと失礼にあたる場合があるので、相場はしっかりと意識にするようにしましょう。地域によっても、相場は変わるケースがあるので、不安があれば周囲の人に聞いてみるのも良いです。
友達に渡すご祝儀袋はどんなものが最適?
ご祝儀を入れるご祝儀袋はさまざまなタイプがあります。印刷のみの簡略的なもの、デザイン性の高いもの、格の高いものなど、包む金額によって、使い分けるようにしましょう。
ご祝儀袋といえば、白を連想しがちですが、キャラクターをモチーフにしたご祝儀袋も増えてきています。
親しい友人に渡すご祝儀袋であれば、カラフルなデザインでも問題ありません。個性的なデザインを選ぶことによって、ご新郎ご新婦を喜ばせたい気持ちが伝わりやすくなるでしょう。
ご新郎ご新婦とそこまで親しい仲では無いのであれば、ご祝儀袋はしっかりと形式を意識しましょう。
のしが付いていて、ご祝儀袋の色は白が基本です。飾り紐は「結び切り」もしくは「あわじ結び」になっているご祝儀袋を選びましょう。
飾り紐の本数は5本ではなく、10本のものが結婚式では正式になります。飾り紐の色は「金銀」や「紅白」にするのが一般的です。「紅白」はお祝い事全般に使う紐で、「金銀」は限定されたお祝いに使用するものになります。
どちらも結婚祝いにふさわしい飾り紐です。黒白や黄白などの飾り紐は葬式などのお悔みごとで使われるものですので、間違わないようにしましょう。
ご祝儀の金額に合わせてご祝儀袋を選ぶのも大切です。結婚式に欠席したケースなどで、包む金額が1万円程度であれば、あまり大層な袋は必要ありません。飾り紐が印刷されたシンプルなもので良いでしょう。
包む金額が3万円程度になれば、平均的な額といえます。ご祝儀袋はスタンダードなものを用意しましょう。
親しい友人であればデザインにこだわるのも悪くありません。包む金額が5万円を超えるようであれば、上質な和紙が使われていて、紅白の装飾が付いている少し豪華なご祝儀袋を選びましょう。
包む金額が10万円以上であれば飾り紐で作った鶴や亀が目立つ、豪華なご祝儀袋を用意すべきです。袋の大きさについても、できるだけ立派なものを意識してください。
マナーを把握して友達の結婚を盛大にお祝いしよう
結婚式に参加した経験が少ないと、ご祝儀を包む額に困ってしまいがちです。ご祝儀袋についても、いろいろな種類があるので適切なものを選ぶ必要があります。
また、結婚式の内容によってはご祝儀が必要ないケースもあるので、ケースバイケースで対応していきましょう。友達を祝う気持ちが強くなり過ぎて空回りするような事態になっては本末転倒です。
今回の記事で紹介した内容を参考にして、マナーを確実に理解しておきましょう。マナーを押さえたうえで、友達をお祝いする気持ちをしっかり持つことが大切です。