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今後に役立つ!ご祝儀に込められた様々な意味を知っておこう

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結婚式に出席した経験がないと、ご祝儀の金額や袋選びで悩んでしまうかもしれません。実際、ご祝儀袋を買いに行くと、売り場にはさまざまなデザインの袋が並んでいます。どれを選んでも同じと思うかもしれませんが、それぞれの袋には込められた意味が異なります。お祝いの気持ちを込めて渡したつもり、かえって失礼だったということにもなりかねないのです。この記事では、ご祝儀を渡す意味やご祝儀袋に込められた意味について解説します。

ご祝儀とは何?渡す必要はあるの?


ご祝儀は「ごしゅうぎ」と読み、もともと婚礼などお祝いの儀式を意味する言葉でした。また、お祝い行事の際にお手伝いやお世話をしてくれる方に対して贈るチップや心づけの意味として使われることもありました。
その後、親族や友人などが結婚する際に、お祝いの気持ちを表すために金品を渡すことを意味するようになりました。
また、結婚式で受けるもてなしにかかる費用をゲスト自らが負担するという意味もあるため、ご新郎ご新婦側が金額を決めることはありません。そのため、招待状に金額が書かれていないのです。
ご祝儀は、一般的にのし袋に入れて結婚式の当日に渡します。一方、結婚祝いはご祝儀とは別に、プレゼントやお金を渡すことです。渡すのも当日ではなく、結婚式の1週間前までに渡すのがマナーとされています。主に、結婚式に参加できない場合に贈ることが多いです。
ご祝儀と結婚祝いは、必ずしも両方贈る必要はありません。また、会費制結婚式の場合は、会費を払うためご祝儀は不要です。ご祝儀を渡さなかったり、あまりにも安い金額を包んだりするのは非常識と思われる可能性が高いです。
結婚式でかかる食事代や会場費に、お祝いの気持ちとしてプラスアルファの金額を包むのがマナーとされています。

 

ご祝儀は大体どれくらい包むもの?


ご祝儀は、どのくらいの金額を包むのが一般的なのでしょうか。
結婚式では、「2人が別れる」「割り切れる」という意味があるため、偶数の金額は避け、奇数の金額を贈るのが一般的です。また、「苦」を連想させる9も縁起の悪い数字として避けられています。
さらに、偶数の中でも8は末広がりの意味があるため、ご祝儀の金額としてはよしとされています。友人や同僚の結婚式に出席する場合は3万円、親族の結婚式だと5万円が相場です。
結婚式に出席できなかった場合は、1万円が相場ですが、必ずしもご祝儀を渡す必要はありません。ただし、招待状を出席で返信したにも関わらず、事情で参列できなくなった場合は相場の全額を後日渡しましょう。
ご祝儀の金額に、正解はありません。ご新郎ご新婦との関係性や、これまでの親交、今後の付き合い方、相手をお祝いする気持ちによって金額は異なります。
包むお金は、おふたりの新たなスタートをお祝いする意味を込め、新札を準備するのがマナーです。どうしても新札が準備できなかった場合は、アイロンなどでシワを目立たなくしてから包みましょう。人物が印刷されている側を上にして、中袋に入れます。

 

ご祝儀袋にも意味が込められている


日本では、昔から人は汚れているとされており、贈り物を手でもつと、その人の汚れが贈り物に移ってしまうと考えられていました。そのため、真っ白なご祝儀袋で包んで水引を結ぶことで、中の贈り物が清浄なものであるという意味が込められているのです。
結婚のご祝儀袋は、一般的な慶事で使うものとは異なり、派手で豪華なものを選びます。鶴亀や松竹梅といっためでたいものをあしらったご祝儀袋が一般的です。水引で亀や鶴を表現したり、パステルカラーだったりとさまざまなタイプのご祝儀袋が展開されています。
結婚式用のご祝儀袋かどうかを見分けるためには、4つのポイントに注目しましょう。
1つ目はのしがあるかどうかです。ご祝儀袋の右上にある羽子板のような形の飾りです。アワビを伸ばして乾燥させたものを模しており、お悔やみごとでは使いません。そのため、結婚祝い用のご祝儀袋には、必ずのしがついているのです。
2つ目は水引が「あわじ結び」か「結び切り」になっているかどうかです。水引とは飾りひものことで、結び方や本数でそれぞれ込められた意味が異なります。結び切りとあわじ結びは、結んだ後にほどくのが難しい結び方です。
人生に一度きりの結婚であるようにという願いが込められています。さらに、両端を引っ張ることで、結び目がより強くなるため、末永く付き合うという意味もあるのです。
一方、「蝶結び」の水引は、何度繰り返してもよいお祝いごとに使うため、結婚用としてはふさわしくありません。
3つ目は水引の色が金銀か紅白です。金銀や紅白の水引はお祝いごとに使いますが、黒白や黄白の水引はお悔やみごとに使うため、注意しましょう。
4つ目は、水引の数が10本あるかです。一般的な慶事だと、水引が5本のご祝儀袋を使用するのに対し、結婚式用だと慶びが重なるようにという意味を込めて10本の水引を使用します。
ご祝儀袋には格があり、包む金額に見合った袋を選ぶことが大切です。1~2万円だと、金銀の水引を貝のあわびを模した「あわじ結び」にしたタイプを選びます。
2~3万円だと、金銀の水引に装飾が加わったタイプにしましょう。5万円程度になると、水引には華やかな装飾が施され、上質な和紙で作られたタイプを使うとよいでしょう。また、出席する式や渡す相手の格に応じたご祝儀袋を選ぶことも重要です。
袋の素材や水引がアレンジされたものは、カジュアルな印象を与えてしまうため、上司や目上の人の式に参列する際には、避けたほうが無難です。

気を付けたいご祝儀袋の書き方とは


ご祝儀袋を書く際には、筆ペンや毛筆を使い、ボールペンや万年筆は事務的に見えてしまうため避けましょう。
また、筆ペンは薄い色のものがありますが、これは弔事用で「悲しみの涙で墨が薄くなった」「急いで駆け付けたので墨をする時間がなかった」という意味合いが込められています。
お祝いの名目は、水引より上の真ん中に直接書き、短冊がついている場合には短冊に書きましょう。結婚式当日に渡すのであれば「寿」や「壽」、結婚式前に渡すのであれば「御結婚御祝」と書くのが一般的です。
「御結婚祝」や「結婚御祝」など4文字の言葉は、「四文字は死文字」といわれ、お祝いには適しません。また、「Happy Wedding」と印刷されたものは、カジュアルになってしまうため、親しい友人に渡すときのみ使えます。
水引の下側には、贈る側の氏名を書きます。個人だと、名目の文字より少し小さめの字でフルネームを書きましょう。
連名の場合は、地位や年齢が上の人が右側にくるように書きます。3名で連名にする場合も、地位や年齢が上の人が右にくるように書き、地位や年齢の差がない場合は五十音順に書きます。
連名で氏名を書けるのは、3名までです。4人以上のグループの場合、代表者の氏名を書き、その左側に「外一同」と付け加えましょう。全員の氏名は、奉書紙などに書いて中包みに入れます。会社名を記入する場合は、氏名の右に少し小さめの字で書いておきましょう。
夫婦の連名で渡す場合は、真ん中に夫の氏名を書き、その左側に妻の氏名を書きます。名字は夫のみにつけても、両方につけても構いません。
家族で渡す場合は、右から夫妻こどもの順に全員の氏名を書くか、代表して世帯主の名前のみを書きます。そして、その左側に小さな字で「他家族一同」と添えましょう。

 

ご祝儀に込められた意味を知ればもう慌てない


ご祝儀には、さまざまな意味やマナーがあり、慣れないうちは戸惑ってしまうこともあるでしょう。しかし、ご祝儀に込められた意味を把握しておけば、うわべだけでなく心を込めてご祝儀を贈ることができます。
また、社会人としてマナーのある人だと認識してもらうきっかけにもなるでしょう。いつ結婚式に呼ばれても焦らずにすむよう、ご祝儀の意味やマナーについて、きちんと把握しておくことが大切です。