結婚式はフォーマルな場であるため、ゲストもきちんとマナーを守って参列することが求められます。マナーに反した言動を取ると自分だけではなく、招待してくれたご新郎ご新婦にまで晴れの舞台で恥をかかせてしまうことにもなりかねません。しかし、慣れない結婚式では、マナーに不安を覚えることもあるでしょう。結婚式の会場に到着したら最初に行うことは受付です。そこで、この記事では結婚式参列時の最初のコンタクトとなる受付の流れやご祝儀の渡し方、記帳のマナーについて解説します。
結婚式の会場に着いたらまずは受付
結婚式の会場に着いたら、最初にしなければいけないことが受付です。受付で芳名帳に記帳することで参列の確認を受け、ご祝儀を渡すこともできます。
時間によっては混雑する場合もあります。そのため、結婚式が始まる時間ギリギリではなく、余裕を持って会場に到着しておくほうが安心です。
結婚式の開始が迫った時間に到着すると、すでに受付テーブルを片付け始めていたりして受付ができなくなってしまう恐れもあります。
当日は、結婚式の開始時間より30分程度早めに到着し、まず受付を済ませておくことが必要です。一般的には、このくらいの時間であれば受付が始まっていることが多く、気持ちに余裕を持って慌てずに受付を済ませておくことができるでしょう。
なかには、「早く到着し過ぎると行き場がなく困ってしまうのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。さらに、招待状に受付の場所の詳細な案内が記載されておらず、「当日、会場で迷ってしまうのでは?」と不安を覚える方もいるものです。
しかし、通常であれば1時間程度前に開場しているところは多く、30分以上早めに到着する分には特に問題はありません。加えて、受付は会場に入ってすぐのところに設置されているなど、迷わずに行けるようなわかりやすい場所にあることがほとんどです。
同日に複数の結婚式がある大きなホテルなどで迷ってしまった場合には、館内にある案内を見たり、ホテルのフロントで確認したりすることもできます。
また、受付ではご新郎ご新婦の友人が各1名または2名並んで対応しているのが一般的です。
受付で記帳などを済ませたら、その後はロビーなどで知人との歓談を楽しんだり、ウェルカムスペースの装飾を観賞したりしながらゆっくりと過ごし、結婚式が開始される時間まで待ちましょう。
フォーマルな場であることを忘れずに、大きな声で話したり、騒いだりしないことは基本のマナーです。
受付でのご祝儀の正しい渡し方とは?
受付に並び、自分の順番が回ってきたら、最初にするのがご祝儀を渡すことです。一般的には、ご新郎のゲストとご新婦のゲストで受付を分けることが多いため、自分が招待されているほうに並び受付をすることが必要となります。
特に分けていない場合には、ご新郎ご新婦どちらの招待ゲストであるかを受付担当者が把握できるよう、「新婦(または新郎)の同僚の〇〇です」といったような言葉を添えながらご祝儀を渡すようにしましょう。
また、どのような受付の形式であっても、渡す際には「本日はおめでとうございます」とお祝いの一言を添えるのがマナーです。
ご祝儀の渡し方のマナーについては、まず、持ってくる途中でご祝儀袋が破れたり汚れたりしないように自宅で事前にふくさで包んでおきます。包み方にもマナーがあるため、注意が必要です。
まず、ふくさの角のある部分を上下左右に向けて広げ、中央左寄りにご祝儀袋を乗せたら、左、上、下、右の順で角をなかに折り込んでいきます。そして、最後に余った部分を裏側に返し入れたら包みの作業は終了です。
受付では包んだ状態のものをそのままバッグなどから出したら一度左手に乗せ、右手を使ってふくさを広げ、その場でなかのご祝儀袋を取り出します。
続けて、受付テーブルでじゃまにならないような場所にふくさをたたんで置き、受付の方からご祝儀袋の表書きが読める向きにいったん直し、両手を添えて渡しましょう。
ご祝儀を渡したら、次に手元にある台帳に氏名を記載し、受付は終了です。招待状にメッセージカードなどが同封されている場合には、受付で回収していることが多いので、ご祝儀と一緒に渡すとよいでしょう。
受付の列を詰まらせないためにも、自宅などで事前に記入してから持参すると親切です。
記帳するときのマナーと注意したいこと
芳名帳への記帳は、字が書けない小さなこどもであるなど特別な事情がない限り、一人ひとり直筆することが基本です。字を書くことに苦手意識を持っていることで芳名帳への記帳を避けたいと考える人もいるかもしれません。
しかし、記帳は字のうまい下手に関係なく気持ちを込めて丁寧に書くことが大切です。字に自信がなくても、別の人に代筆を頼むことはしないで必ず自分で書くようにしましょう。
一人ひとりが直筆にすることは、ご祝儀をまとめて渡す夫婦や家族の場合も同様です。芳名帳の記帳は家族全員が行い、最初に記帳する代表者が苗字と名前を書いたら、ほかの家族はその横に名前だけを並べて書きます。
また、記帳する内容は芳名帳によって異なりますが、多くの場合、住所や氏名を書くことが一般的です。
氏名の記載は出席状況や住所変更の確認なども兼ねているので、苗字だけ、町名までだけといった省略した書き方はせず、フルネームと正式なアドレスをきちんと書くようにしましょう。
さらに、芳名帳の記帳に使うペンは一般的な書きやすさから万年筆やボールペンが使われているケースもありますが、本来のフォーマルなスタイルとして筆ペンが用意されている場合もあります。
筆ペンはインクの種類によって乾くのに時間がかかるものもあるため自分で書いたところに触れて手や服を汚してしまったり、書いた文字をにじませてしまったりしないように注意しましょう。
加えて、書き終えたら、使用した筆記具はきちんと元の場所に戻すことがマナーです。落ち着いて書くことは大切ですが、書き終えたら次に人のじゃまにならないように速やかに移動することが気遣いとなります。
受付を離れるときには、受付の方に軽く会釈してから立ち去るようにしましょう。
受付から結婚式開始までにしておきたいこと
受付が終わったら、結婚式が始まるまでの時間を利用してトイレなどを済ませておくと安心です。式が始まる直前に行ったら思いのほか混雑していて式の開始に間に合わなくなってしまったり、式中にトイレへ行くタイミングが難しくなったりする可能性もあります。
また、女性であれば気になる部分のメイク直しを済ませておくのもよいでしょう。さらに、冬などの寒い季節であれば、この時間を利用してクロークにコートやストール、大きな荷物などを預けておくのも方法の一つですね。
結婚式では、大きな荷物やかさばるものは会場へ持ちこまないことがマナーとなっています。
クロークの利用は、受付を済ませる前に終わらせておくのが通常です。しかし、受付が混雑しそうな場合などを見据えて先に受付を済ませ、その後の時間を利用して預けたほうが効率的な場合もあります。
また、式中の様子を携帯電話で撮影するケースが増えていることから会場に持ちこむ人も多い傾向です。但し、電話をする用事がある場合には、結婚式の前に済ませておかなければいけません。
さらに、結婚式が始まる前にマナーモードにしておくことは最低限の守るべきルールです。
大事な場面で着信音を鳴らしてしまうと、ご新郎ご新婦にとって人生の大切な時間となる結婚式の思い出を壊してしまうことにもなりかねません。
撮影に使用する予定がないのであれば、荷物と一緒にクロークに預けるか、電源を切っておくかの対策を取っておいたほうが安心でしょう。
受付は速やかに済ませ余裕を持って過ごそう
慣れない結婚式に参列する場合、ゲストとしての当日の流れが把握できず、不安を感じる人もいるものです。しかし、結婚式へ行ったときには受付を済ませてしまえば、とりあえずは一安心できます。
到着したら最初に受付へ行って、ご祝儀を渡し記帳を行えば、あとは式開始まで案内を待つだけです。やるべきことを済ませてしまったら、始まるまでの時間は余裕を持って過ごすことができるようになります。