婚約指輪の場合、プロポーズから入籍もしくは結婚式までの短い期間しかつけず、その後もあまりつける機会がありません。そのため、「無駄になってしまうのでは?」と感じる人も多く、「結婚する際に結婚指輪と婚約指輪は両方必要なのか」と疑問に思う人もいるでしょう。そこで、今回は結婚指輪と婚約指輪の必要性や、指輪を長く使い続けるための選び方について解説していきます。
そもそも婚約指輪と結婚指輪はどう違う?
婚約指輪とは、「これから結婚する」という誓いを形として表すものです。婚約指輪の起源は古代ローマ時代に生まれた習慣で、恋人や夫婦に限らず「約束を果たすという誓いの印」としてお互いの指に金属の輪をはめたことが始まりといわれています。
その後、時代とともに少しずつ形を変えて恋人同士が交わす約束の指輪へとなっていきました。現代における婚約指輪の役割は、結婚の約束を表すだけでなく結婚への決意を象徴するものであり、生涯に渡る大切な財産としての意味も持ち合わせています。
婚約は、「結婚する」という約束を交わしたものですが、書類にサインをしたり特別な手続きをしたりすることはないため、基本的には口約束となります。
何の証もない状態で婚約してしまうと、男性としては「本当に結婚を受け入れてくれたのか」と不安になり、女性も「本気なのか」と心配になるかもしれません。
そこで、婚約指輪を用意し男性はそれに「結婚して欲しい」という思いを込めて女性に贈ることで、真剣に結婚したい意思を伝えます。女性は、それを受け取ることで、自分が結婚を受け入れたことを示します。
また、身につけることで周囲に結婚が近いことを告げるのも、婚約指輪の役割の一つです。周囲に公言することによって簡単に約束を反故することはできなくなりますから、意思の強さを示すことができます。
婚約指輪は、男性がプロポーズに向けて購入するケースが一般的でしたが、プロポーズのあとにおふたりで選ぶケースも増えてきています。
一方、結婚指輪とは結婚後におふたりがともにつける指輪のことです。入籍の年月日や名前もしくはイニシャルなどを内側に刻印する場合が多く、結婚式の中でお互いに交換してつけるのが一般的です。
その後、日常生活の中でもずっとつけ続けることになり、婚約指輪と違って男性もつけるものなので、指輪のデザインはシンプルなものが好まれています。結婚指輪は婚約後、結婚式までの間におふたりで選ぶことが多い傾向です。
婚約指輪のデザインの特徴と必要性
婚約指輪のデザインの特徴は、装飾があるなど結婚指輪に比べて華やかなデザインのものが多いことです。細かいデザインの傾向は時代の流行やブランドの特色によって異なりますが、婚約指輪なら大きめのストーンを配したデザインが一般的です。
使用されるストーンはダイヤモンドが多く、それ以外では女性の誕生石を選ぶなどカラーストーンを用いる場合もあります。
婚約指輪にダイヤモンドが選ばれることが多いのは、硬くて壊れにくいことが理由です。ダイヤモンドは宝石の中ではもっとも硬度が高いため、傷つきにくく壊れるようなことはめったにありません。
こうしたことから、夫婦となるおふたりの絆が固いことを表す意味や、おふたりの関係が簡単に壊れないという考え方によって、ダイヤモンドが選ばれているのです。また、硬くて丈夫なため劣化も少なく、一生使い続けることに適している宝石であることも選ばれている理由の一つ。
ダイヤモンドは宝石の中では価値がつきやすく、時代によって価値が大きく変化することもあまりありません。カラット数によっては立派な財産になるので、おふたりの子供や孫に残すこともできます。
婚約指輪の必要性を判断するときには、婚約指輪の持つ意味や役割をしっかりと理解したうえで考えましょう。どうしても必要なものというわけではありませんが、プロポーズの気持ちを伝えやすいアイテムです。
個人差はあるものの贈られればうれしいという女性は多く、「プロポーズ=指輪」と考えている人も少なくありません。婚約指輪は高価であればよいということはなく、自分の収入に見合った予算で気持ちのこもったものを選ぶのがポイントです。
婚約指輪に費用をかけすぎて結婚式や新居の費用が足りなくなってしまっては本末転倒ですね。
結婚指輪のデザインの特徴と必要性
結婚指輪のデザインの特徴として挙げられるのは、婚約指輪に比べてシンプルだということです。結婚指輪は結婚後ずっとつけるものであり、基本的に外すことはありません。毎日つけることが前提のため、仕事や家事の邪魔にならないよう派手なものは避ける人が多い傾向です。
ストーンをつけない地金だけのものが一般的なので、マテリアルはゴールドやプラチナなど丈夫で価値の高いものがよく選ばれています。ストーンがついたデザインの場合でも小ぶりなものが人気です。
結婚して夫婦となった証としてつけるものなので、おそろいのデザインにする場合が多いでしょう。但し、妻の指輪は女性らしくやや細いデザインになっていたり、ベースのデザインは似ていても部分的に変えてあったりするなど、夫婦で違いを出している結婚指輪もあります。
また、同じデザインであってもマテリアルが違うものにして印象を変えているものも。結婚指輪は、必ずしも夫婦で同じデザインのものを身につける必要はありません。
毎日つけるものなので、好きなデザインのものや自分に似合うものを選びたいという理由から、まったく違うデザインのものをしている夫婦もいます。
結婚指輪の必要性をもっとも感じるのは、挙式する場合ではないでしょうか。結婚式では指輪の交換がおこなわれるのが一般的なため、おふたりの絆の象徴として結婚指輪を購入するのは、自然な流れだといえます。
但し、婚約指輪同様に結婚指輪も基本的にはどうしても必要なものというわけではありません。
実際、結婚指輪をしていない夫婦も多くいます。結婚指輪を購入しない代わりに、結婚式や新婚旅行の費用に予算をかけるといった夫婦もいるので、おふたりで話し合って決めることがとても大切です。
デザインを工夫することで長く愛用できる
婚約指輪や結婚指輪の選び方を工夫すれば、長く愛用することができます。従来、婚約指輪を選ぶ際には単体でデザインを決めることが多かったため、大きなストーンがついているものなど普段使いできないものが一般的でした。
パーティーや友人知人の結婚式といった特別な場でしかつけられないようなデザインでしたが、時代とともに結婚指輪と重ね付けできるシンプルなデザインの婚約指輪が主流になりつつあります。
婚約指輪であっても小さめのストーンに抑えることで、婚約指輪と結婚指輪を兼ねるという使い方もできるようになっているのです。
女性の場合、出産や加齢などによる体型の変化で指輪のサイズが変わってしまう人もいるかもしれませんね。そのため、そのまま指輪をつけなくなってしまう人も少なくありません。
しかし、サイズ変更しやすいシンプルなデザインのものを選んでおくと、この問題も解決できます。また、デザインが時代に合わなくなってきた場合も、リフォームしやすいデザインを選んでおくと使いやすいでしょう。
おふたりの子供に指輪を譲るときなどを考えた場合でも、サイズやデザインを変更しやすいのものだと長く使うことができます。
指輪は2人の絆の象徴!着けやすさが大切
指輪は夫婦の絆を象徴するもので、何十年もつけ続けるわけですから、愛着を持ってつけやすいデザインを選ぶことが重要です。
結婚指輪は挙式で必要になるものですが、選ぶのにゆっくりと時間をかけたいものであり、刻印をいれたりするので仕上がるまでに時間がかかります。
用意する時期を正確に把握するためにも早めに結婚式の会場を決めておき、指輪が結婚式に間に合うように逆算して準備することが大切です。